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上戸町病院の歴史は、1966年長崎民主診療所建設準備会結成に始まります。 1972年に大浦診療所開設。そして、1982年12月に入院のみの50床を持つ健友会上戸町病院が誕生しました。 翌1983年には104床となり、1984年には外来の開始、そしてリハビリ室を開設。 1991年には老人デイケアを開始し、以後も訪問看護、作業療法や人工透析などを導入し、地域に根ざす医療に力を入れてきた歴史を持つ病院です。
その理念は 「無差別・平等の医療と福祉の実現」
《Report17》 第1回は、医療法人健友会「上戸町病院」です。 |

(「上戸町病院」玄関)
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一人一人の患者さんに向き合う姿勢を学ぶ2年間の研修 |
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桑本先生と平野先生は研修医1年目で、現在は上戸町病院で研修中。主に内科と整形外科の研修で、外来研修もしています。
桑本先生は「ここでは、患者さんが来院して自宅に帰った後の経過まで診ることができるのがとてもいいと思う。」、
平野先生は「研修医は、受け持つ患者さんが少ないので、一人一人に丁寧に接することができる。勉強する時間も取れるので、自分の勉強したことを提案して、治療方針の中に組み込んでいける。自分で考えて動くことでやりがいを感じる。」と語ります。
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「自分の思い描く医者のイメージが、“総合医”とか“家庭医”だったので、総合的に診れるようになるための勉強ができる規模の病院で研修をしたかった。」という研修医2年目の今村先生。鹿児島、福岡の協力病院、五島の診療所などでの研修を経て、上戸町病院に帰ってきたところです。「自病院以外の研修では、300床規模の病院での救急医療や五島の診療所での往診なども経験し、様々な症例にも触れ、貴重な経験をさせてもらった。いろんな先生方に出会い、自分にとってとてもいい刺激になった。」と振り返ります。
研修医3名ともに、今後も総合医療の勉強を続けていきたいという希望を持っています。
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(左:平野先生、中央:今村先生、右:桑本先生)
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上戸町病院では、2年間の研修中は受け持つ患者さんの数は多くても5~6人になるように、配慮されています。
松浦先生(後期研修医)は、指導する立場から「受け持つ患者さんが少ないからこそ集中して診療できる。また徹底的に勉強することで、次に同じような症例がきた時には一人で対応できるというところまで突き詰める。」、また近藤先生(内科)は、「研修医を一人にしない。夕方には必ずカルテチェックをして、指示漏れがないかを確認している。」と言います。
このような“余裕のある研修”という指導方針が、研修医にとっては安心感につながり、それが大きな責任感と自信につながっているようです。
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上戸町病院は、総合内科に加えて整形外科にも力を入れています。
基本的には、1病院(上戸町病院)と4診療所(五島・花丘・香焼・大浦)の地域の患者さんの健康を守るということをモットーにやっています。研修では、総合医療プラスサブスペシャルというプログラムを組んでいます。
家庭医や地域医療を志望する学生や先生方の勉強になればと願っています。
規模が大きくない分、資格取得に対してなど十分ではない部分もあるかと思いますが、長崎の地域医療を守るという観点からも、今後は【新・鳴滝塾】のネットワークなどとも協力して連携して、研修の充実を図りたいと考えています。
(三島院長談)
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(後列右端:三島院長)
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「総合医」、「かかりつけ医」、「地域医療」に興味のある方、大歓迎! |
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上戸町病院では、入院→回復期→外来→往診と患者さんをトータルで診る、ということに重点を置いています。
研修の目標は、「疾患」管理だけに留まりません。その「人」の生活する背景を把握し、コメディカルスタッフと連携し、適切な援助を提供することも出来る医師を育てます。
「総合医」、「かかりつけ医」、「地域医療」これらに興味がある方は、まず見学に来て下さい。
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上戸町病院の医局は若い!そして女性が多い!→となると、“食”事情は自然と充実していきます。
お茶や果物などはもちろん、冷蔵庫の中には納豆や調味料、チョコパイは5ケース確認できました。
そして下の冷凍室には食パンや焼き鳥(?)まで!まるで家庭の冷蔵庫です。
一人暮らしの研修医の皆さんにとっては、大きな味方になっているようです。
アットホームな雰囲気が、こんなとこからも伝わってきます。
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取材後記
《REPORT17》初回の取材ということで、少し緊張気味で訪問した上戸町病院でしたが、その緊張感を一瞬で吹き飛ばしてくれるような和やかな雰囲気で迎えていただきました。先生方のお話を聞くほどに、「いつもこのように温かく患者さんたちに接しているんだろうなぁ。」と感じました。そして何より院長をはじめとして、先生方が皆「地域医療」への思いが深く、力強く語られるのが印象的。この信念が、地域の方々の健康を守り、支えているんだと感じる取材でした。 |
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