|
長崎労災病院は、昭和32年(1957年)5月に3診療科(外科、内科、整形外科)、病床数100床で開設しました。
その後、数次の診療科の増設、病床の増床を行い、現在は13診療科、350床を備えています。
平成16年(2004年)4月、特殊法人より独立法人へ移行し「独立行政法人労働者健康福祉機構 長崎労災病院」となっています。
高度な勤労者医療を推進し、健康指導にも力を注いでいます。さらに佐世保市、県北医療圏の一翼を担う急性期病院として24時間体制で救急の診療に当たり、地域医療連携を重点化して地域完結型の医療を目指しています。
病床数:350床(内ICU 6床)
|
|
私たちは、働く人々と地域の皆様に安全で質の高い医療を提供するため最善を尽くします。
|

「長崎労災病院」
|
|
今回は、後期研修医2年目の吉居先生にお話を伺いました。整形外科で研修中です。
|

吉居先生
|
労災病院での研修はいかがですか?
ここは他の病院と比べて整形は先生が多く、整形の中でも脊椎・上肢・下肢というように班が細かく分かれていて、最初はちょっと戸惑いもありました。でもそれぞれの分野で専門医がおられるので、おそらく他では診られない症例も結構あると思いますし、症例の数も多いと思います。
ここで研修を始めた当初は、手術が毎日続いたりでちょっとしんどい部分もあったんですが、今は随分慣れました。
特に若いうちはこのように症例も多く経験できて、カンファなどもしっかりしている環境の中で働くのはいいんじゃないかなと思います。
|
後期研修を労災病院で、と決めた理由は?
大学が福岡のほうで、初期研修まで福岡にいました。後期研修は、まず地元である長崎へ帰ってこようと思い、かつ整形外科の研修が充実している労災病院に決めました。
|
労災病院で研修して良かったと思うことは?
他の病院を多く知っているわけではないので、比較してのお話はできませんが、外科医としては症例数を数多く経験することが必要だと思います。そういう意味では労災病院は大変恵まれていると思います。 病院内でも病院外でも本当に皆さんいい人ばかりに囲まれて、今は毎日楽しく過ごさせてもらっています。
|
今後の展望を教えて下さい。
後期研修に入る前は、スポーツに関わることをやっていこうかなという思いを持っていました。今はまだ具体的に決めているわけではないので、後期研修3年目の来年1年じっくり考えて今後の進路を決めていこうかなと思っています。
|
医学生、初期研修医の方へのアドバイス
僕は今、医局に入っていません。入局しないという人は少数派だと思いますが、今の段階でそれが良かったのか悪かったのかわかりません。いろんな選択肢があるならば、本当に自分が行きたいという思いを優先して研修先を決めたらいいんじゃないかと思います。
まず見学に行き、“自分にとって働きやすい環境であるかどうか?”ということを、自分の目で確かめてから決めることが大切だと思います。
|
|
|
副院長の小西先生のお話を伺いました。 |
研修医に望むことは何ですか?
まず一つは、研修医はまだ一人前ではないのは当然なわけで、自分ができないことを自覚するということからスタートして、それをできるようになる為には何を学べばよいか?どのような指導を受けたらよいか?ということを考えてほしいと思います。
それと、研修医になるまでに大まかな方向性を思い描く人も多いと思います。それまで大学の教育で得た頭の中だけの知識だったことが、直接の現場を体験することで、より具体的なものが見えてくるはずです。その中で改めて自分の将来の進路を再確認、あるいは新たに見つけてくれればと考えます。
|
 小西先生 (副院長:整形外科)
|
何より興味がないと身にならないので、まず具体的に興味を持つこと、そしてそれをライフワークとしてやっていくためにはどんな知識や技術が必要かを考え、体得してほしいと思います。
また、研修医の間には幅広い知識が必要になり、“救急”が大きなテーマになってきます。救急の患者さんというのは、答えがわからない状態で入ってこられます。救急の際に、どのような検査をどのような手順で行い、どのような処置を行うのかをきちんと理解すれば、いろんな疾患に対応できるようになります。その都度、指導医から学び取るという姿勢を大切にしてほしいと思います。 |
|
|
研修プログラムの特徴を教えて下さい。
労災病院の大きな特徴は、整形外科や脳外科など外科系のウェイトが高く、医者の数も多いということです。
そしてベッド数に対応した手術数がきわめて多く、全身麻酔での難度の高い手術がかなり多いという特徴があります。幅広く診るというより、高度なことを深く診るということで、ある意味マニアックと言えるかもしれません。
このようなことから、初期研修に関しては長崎大学や協力病院、協力施設とタイアップしながら進めていくという体制を取っています。
|
|
|
|
豊富な手術数
整形外科の手術数は、年間約2000例。これは長崎県内では最大数、九州の中でも1~2番目に多い手術数です。
HOT SURGERYと呼ばれる救急の一般外傷、COLD SURGERYと呼ばれる慢性疾患がありますが、この慢性疾患の手術数は年間約640例で、これは全国的にみてもTOP10に入るほどの手術数です。
急性疾患と慢性疾患、いずれの症例にも多く対応しているということです。
整形外科の研修ということに限れば、外傷・関節・脊椎に大別されますが、ここ労災病院では、全ての疾患を網羅しており、全ての疾患の診療を経験できると言えます。
整形外科の分野での自立を目指して後期研修をされるのであれば、全国のどこの病院よりも早く技量が身に付くということを、自信を持って言えます。
|
|
|
|
|
取材後記
“マニアック”と言うほどに、外科部門に対して強い自信とこだわりをもつ労災病院。
院内には張り詰めた緊張感が漂っているのでは?と思いきや、お会いした先生方も看護師の方々もとっても朗らかで、ナースステーションはまるで学校の教室のような雰囲気でした。
頭の中や気持ちの切り替えがうまくできるというのは、医療に携わる人にとって大切な素養の一つなのかもしれません。
|
|