■指導医
総合診療科 和泉 泰衛 先生
先日、行われた「臨床研修医指導のための特別講習会」についてレポートします。
当日は講師として名古屋大学医学部付属病院 総合診療科助教 西城(さいき)卓也先生、名古屋医療センター総合内科医長川尻宏明先生のお二人でした。当院から約10名の参加者の他に、長崎大学病院、五島中央病院、済生会長崎病院、上戸町病院から参加がありました。又、長崎大学医学部の学生数名の参加もありました。西城先生のアットホームなイントロにみんな自然と意見を言えるような雰囲気で講習会は始まりました。西城先生からは主として外来研修の必要性についてのお話がありました。
・“どんな病気にも対応できるようなプライマリ・ケアの基本的臨床能力が臨床研修医の獲得目標”となっている現在の臨床研修制度において、病棟研修だけで十分なのか
・病気の大半は外来で診ているのではないか
・診断する能力の学習は外来研修がより効果的ではないか
・外来研修は今後、必要不可欠なものになるのでは
という内容でした。
次に川尻先生には実際に佐久総合病院で立ち上げた外来研修についてお話して頂きました。立ち上げ当初はやはり相当な苦労をされたようです。当初はマンパワーとして期待して始まった外来研修だそうですが、限られた時間内での診療が難しく、患者の待ち時間の問題や疾患の見逃しの可能性など様々な問題をいかに減らして患者さんに迷惑をかけずに研修医の外来研修を充実させていくかを真剣に考えられていました。
当院の研修医が患者を診る場面としてはまずは病棟の患者、次に救急外来での救急患者であり、コモンディジーズが最も多い普通の外来患者に接する機会が少ないのではないかと感じました。私自身、3年目にいきなり週2回の新患外来を任されて、教科書を机の奥や隣の部屋に隠してこそこそ見たり、外来中に上級医に電話で相談したりしながら、こなしていたのを思い出します。将来、内科医を目指す研修医には3年目以降も内科外来を担当するチャンスは多いでしょうが、そうでない研修医にはこの初期研修2年間でいかにプライマリ・ケアを研修させるかが今後の課題と感じました。まずは総合診療科外来で現在行っている2年目研修医への外来指導をより充実させるように、今回の講習会を参考にしながら頑張っていきたいと思いました。
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