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市立大村市民病院・見学レポート
N大学医学部6年 W.T.
見学日:平成25年3月28日

 今回、私は市立大村市民病院を見学させていただきました。

 3月初め、新・鳴滝塾が主催した長崎県研修病院合同説明会で、大村市民病院の先生方とお話したのがきっかけでした。心臓血管外科に強い、総合内科を鍛える、大村市の二次救急の中心、垣根の低い医局、といった特徴が気になり、実際に病院を見てみようと思ったのです。

 当日は、長崎市内から空港バス(バイパス経由試験場前下車)での移動から始まります。集合が9時だったので、8時のバスに乗りました。空港バスだからでしょうか、なんとなく旅行に行くようなちょっとした高揚感がありました。持ち物は白衣、聴診器、そしていざという時に頼れる「UCSFに学ぶできる内科医への近道」です。ラフな格好でと言われましたが、私はスーツで行きました。

 病院に着いて、まずチェックしたのはトイレです。私の持論なのですが、建物の新旧に関係なくトイレがキレイで清潔かどうかというのは、その病院が建物を大切にしているか、清掃が行き届いた環境で患者さんを迎えているかの1つの指標になると思っています。大村市民病院の建物は古いですが、トイレはとてもキレイでした。病院全てに清掃が行き届いていて、気持ちのいい環境が整っていると思います。後から聞いた話ですが、3年後に向けて新病棟の建設計画が進行中だそうです。
そして、総務課の富崎さんに案内されて医局に行きました。総務課の富崎さんは私たち学生の病院見学や初期研修の担当で、事務的な質問や相談にのってくれます。何気に学生のぶっちゃけ質問にもちゃんと答えてくれ、素顔の大村市民病院を知ることができます。医局にて臨床研修の指導医である野中先生を紹介され、病院見学がスタートしました。

 病棟を一通り案内された後、野中先生の外来を見学しました。野中先生は総合内科を担当されています。僕が見学したのは検診後の二次受診でした。便潜血が陽性だった、肺野に結節影がみられる、心電図で心房細動が出現した、といった検診で異常を指摘された患者さんを精査する外来です。ここで学んだのが、感度・特異度・尤度比を使った診断推論でした。野中先生は、個々の所見・検査の感度・特異度・尤度比から次の検査の選択・考えうる疾患可能性といったことを教えてくれました。国家試験の勉強をしていると、どうしてもただ検査や所見を羅列的に覚えるだけで、どの項目が重要(感度・特異度が高いか)なのかという視点をついつい忘れがちになってしまうのですが、こういった点で臨床の面白さを実感しました。この日はアメリカ人の患者さんも来られて、大村ならではの外来も見させていただきました。野中先生の患者さんに対する態度はもちろんのこと、何に不安でどうしたらその不安を解消できるか、という視点で会話を組み立てる術は、是非とも学び取りたいと思いました。なにより、野中先生のお人柄がとても良かったのが印象的でした。先生が退席されている合間を狙って看護師に「野中先生ってどういう方ですか?」と聞いたところ、「私たちの病院はいい先生が多いですが、中でも群を抜いて優しくて信頼がおける先生です」と仰っていました。

 昼食時に、新年度からの研修医の先生を紹介されました。研修医の先生によると、地域で総合内科を学びたいと思っていたところ野中先生を紹介され、1回見学しただけで「ここだっ!」と研修を決めたそうです。医局で食事をとられていた先生方は、皆さん気さくで話が面白かったです。スポーツをされている先生も多く、とても雰囲気が良かったです。

 午後は、その研修医の先生と一緒に手術を見学しました。私たちが見たのは、膀胱腫瘍の膀胱鏡下切除術と、腐食した歯槽骨の口腔外科術でした。術中に大村市民病院の心臓血管外科についての話がのぼり、大村市民病院が県下でもトップクラスの成績を誇っていることなどを教えていただきました。

 手術の見学を終えた後は、研修医の先生のオリエンテーションに同席させていただきました。4月からの予定表を見ると、色々なプログラムが組まれていました。ただ、それらは柔軟に組み替えたりすることができ、「ああしたい、こうしたい」といった希望に応える、という話もされていました。また、大村市民病院で初期研修を終えられ、現在後期研修医の楠本先生も同席され、「悩みがあったら相談して!」と話されていました。楠本先生は医局で「アネゴ」と呼ばれていて、とてもハキハキ・サクサクとした格好いい先生です。救急や当直をバリバリこなされる一方で、とても敷居の低いお人柄でした。空手をやっていたということで、記念におバカな写真も撮ってしまいました。

 最後に病院長と面談しました。病院長によると、大村市は医療センターがあるので、三次救急は医療センターが一手に引き受け、市内の二次救急は大村市民病院が一手に引き受けているそうです。医師になってから最もよく遭遇する二次救急を勉強したい人には、うってつけの病院だと話されていました。また、大村市民病院の母体は地域医療振興会というもので、地域医療・離島医療に力を入れているそうです。地域研修・選択では離島の病院を選ぶことはもちろん、東京北病院や東京ベイ病院にも行けると仰ってました

 総じて、大村市民病院、私にとっては「アリ」な病院だと思いました。私は、初期臨床研修が良いものになる最大のポイントは、結局選んだ病院じゃなくて、研修に臨む自分の姿勢にあると思っています。ですから、建物の新しさやプログラムの整備度といった点は、あまり重要じゃないと思います。それよりも、如何に自分が貪欲なほど積極的になれる環境か、こんな先生になりたいと思える医師がいるか、といった点の方が大切だと考えています。研修医の受け入れ実績が乏しいのは否めませんが、それをカバーしてあまりある「指導医の人柄の良さ」と「なんでもできる柔軟性」は大村市民病院の最も大きな魅力です。可能な限り自分にあったプログラムにカスタマイズできる点は、初期研修後のビジョンがすでにあり、こういう医師になりたいという将来像が固まっている人にとっては非常に向いている病院だと思います。

最後に、今回見学でお世話になった先生方にお礼を言わせてください。本当にありがとうございました。





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